「入れ歯で硬い食べ物を食べられるの？」という疑問は、これから入れ歯をしようとしている人やしたばかりの人共通するものだと思います。

入れ歯で硬いものが食べられるかどうかは、YESかNOかで答えを出せるものではありません。

入れ歯を付けた時期や歯や歯ぐきの状態によって食べられる範囲がことなります。

詳しく見ていきます。

 

前提として、入れ歯は自分の歯（天然歯）よりも噛む力や強度が弱いです。

特に、入れ歯を入れたばかりでまだ歯の組織に馴染んでいない場合は、噛む力は天然歯の3分の1以下ほどしかありません。

また加齢により周囲の歯や歯ぐき、骨などが弱っている場合も、入れ歯になることで相乗的に噛む力が弱まることになります。

無理に食べると痛みが生じたり、入れ歯が欠けてしまったりすることもあり得ます。

こうした理由から、入れ歯では基本的には硬いものを食べるのは避けた方が無難と言えます。

 

ただし、年齢が若く噛む力がまだ十分にある人や入れ歯をしている箇所が咀嚼に大きな影響がない場合は、硬いものでも食べられる可能性は大いにあります。

硬いものをかみ砕く効率が高い歯は第一大臼歯（奥歯）ですが、この第一大臼歯やその周辺の歯が天然歯として残っている人は、硬いものでも細かくかみ砕き食べることができます。

反対に第一大臼歯などの奥歯が1本でも抜けてしまっている人は、避けた方が無難です。第一大臼歯が抜けると、咀嚼の効率は約40％も低下すると言われているためです。

 

以上、入れ歯で硬いものを食べられるのかについて解説しました。

いずれにしても、入れ歯を使用する人は、事前に食べられる範囲について歯科医院に相談することが重要です。