入れ歯は一朝一夕で、できるものではありません。

歯や歯ぐきの形は人によってまったく異なるので、歯科医師と歯科技工士が連携して一人ひとりに合わせたものを0から作るのが基本です。

おおよそですが、入れ歯を作ろうと歯科医院を受診してから完成するまでの期間は、1～2か月程度が目安となります。

ただし、1週間に1回ほど定期的に通った場合の期間なので、普段仕事をして忙しい人などはもっとかかる場合もあります。

「えっ？そんなに長くかかるの？」と思った人もいるかもしれません。

個人に最適な入れ歯を作るには、次の5つの工程を着実に進める必要があります。

 

 

1．型どり

歯や歯ぐきの型どりを行い、形を模型におこす工程です。

型どり専用の粘土質の材料を持ったトレーを口に含み、時間が経てば取り出し、型ができあがります。

より精巧な模型をつくるために、型どりは2回行われる場合もあります。

 

2．噛み合わせの確認

型どりした模型を元に、咬合床をつくります。

ロウでできた咬合床を口に入れて、人工歯を並べる位置を決めたり、上下の歯で咬む顎の位置を決めます。

 

3．試適

咬合床に人工の歯を取り付けた模型ができあがります。

さらに試しに口に入れて、違和感がないかをチェックします。

特に痛みがないか、噛み合わせが悪くないかなどは重要な確認事項で、必要であれば微調整を行います。

総義歯の場合、この時にもう一度精密に型取りをします。

 

4．完成

ロウでできた咬合床を本来の入れ歯の素材であるプラスチックに換えます。

装着して大きな不快感・違和感がなければ、入れ歯の完成となります。

 

5．微調整

完成した後もすぐに馴染むわけではありません。

引き続き微調整を繰り返しながら、完全にフィットする入れ歯に近づけていきます。

 

 

目安の期間や工程については、患者の歯や歯ぐきの状態、入れ歯に使用する素材などによって差があります。

疑問や不安がある場合は、治療に入る前に歯科医師や歯科衛生士としっかりとコミュニケーションを取って、事前に解消しておくことが大切です。